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『分かりました……
その願い叶えて
差し上げましょう……』
〔ピチャピチャ…ピチャピチャ…〕
「……誰?……」
遠退く意識の中で…誰かが…
私の流れ出る血を舐めている…
『朱い髪は……血の色』
『青い瞳は……お前の涙』
『黒いドレスは……死の色』
『残され願いは、あと二つ
どう致しましょうか……』
「あいざわさん…相沢さん……」
『さぁ……起きなさい……』
「気が付かれましたか?」
「ハッ!ここは………?」
私の顔を…覗き込むのは誰?…
「もう…大丈夫ですよ…
良かったですね」
「…病院!……」
…あぁ…私…生きてるんだ!
よ…よかった……
でも、何故…?
私は此処に…いるのだろう?
「あの…誰が私を…?…」
「妹さんが救急車を
呼ばれたそうですよ」
…妹…?
そんなの…居ない……
私は一人…
親も…姉妹も、いない
一体…誰が私を……?
涙が…頬を伝う…
彼と知り合って……
幸せだった……
でも…もう駄目なんだね……
…だけど…
…今は…
今は…生きてて良かったって…
本当に…そう思った
…思ってた…
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