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「うわっ、雨だぁ 傘忘れちゃったし!」   仕事を終えた夕美は、手で頭をおおいながらピチャピチャと音を立てて走っていた。     「雨宿りついでに零次に会っちゃおー!」     カランカラン 「いらっしゃいませー」   「あれ…マスター、零次さんは?」   「体調崩してさぁ、さっき早退したとこなんだ」   苦笑いのマスター。   「あ!零次とよく話してた子だよね! お見舞いに行ってあげてくれないかなぁ あいつ1人暮らしだしさ」   (え…ぇええ!? 神様仏様!いいんですか!? 零次の家に行ってしまっても!!)   にやけている顔を、なんとか真面目に作って   「お見舞い行きますよ」   と答えた。   「じゃあ、よろしくね!」  と、マスターは零次の携帯番号とアパートまでの道を簡単に書かれたメモをくれた。
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