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バーの店内は、木の造りで温もりを感じさせる雰囲気だった。
夕美は適当なカクテルを注文した。
社内ではコンパとかしている人いるみたいだけど、夕美は誘われたことは1度もない。
運ばれてきたカクテルを飲むと
「うっ、これキツイ…」
思わず声が出てしまった。
フフッ
という苦笑いが混ざったような声。
声の主の方を見ると、
黒い髪
冷たそうな瞳
をしたバーテンダーが、アイスピックで器用に丸く氷を削りながら微笑んでた。
ネームプレートには
沢田 零次
と掘ってあった。
「君、お酒弱いの?」
これが零次との初めての会話だった。
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