出会い

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「あまり飲んだことないから、なにがいいのかわからなくて…」   照れながら言うと、アイスピックの手を止めて零次は器用にカクテルを作ってくれた。   目の前に出されたのは、透き通った赤いカクテル。   一口飲んでみる。   「あ…さっぱりしてておいしい…」   「アセロラと少しのウォッカが入ってるんだよ オリジナルのカクテルかな」       …………。       気付くとポロポロと涙がこぼれていた。   何気ない会話だけれど、今まで忘れていた普通の会話でもあった。     「私…わたし……会社で嫌がらせさせられてて… いじめられに会社に行ってるのかな…… 男遊びなんてしてないし、でも誰も信じてくれない…… 一人暮らしだから、誰も聞いてくれる人いないし… 両親にも話せなくて…」   機械のように口からポロポロと…まるで涙のように言葉がでてくる。   「よく話せたね」   零次はそう言ってくれた。   「わ、私初対面の人にこんなこと話しちゃって…ごめんなさい」   「いいんだよ、心が晴れるなら カクテルどうする?」   気付いたらアセロラのカクテルは空だった。
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