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十七年前、蒼凪市。
女性が赤ん坊をベビーカーに乗せ散歩をしている。
嘉穂:いい風ね?涙花ちゃん。
女性……嘉穂は、娘に話しかけるが当の本人は母の言葉を気にせずに遠くを見つめている。
嘉穂:涙花ちゃん?どうしたの?…ん?
嘉穂は誰かの気配を感じたがそこには誰も居ない。
その気配は涙花の前にいた。足元までのびる金髪の彼女は嘉穂には見えないようだ。彼女は涙花を見つめている。その表情はどこか淋しそうでもあり、愛しそうでもあった。
嘉穂:あら?涙花ちゃんどうしたの?ご機嫌ね。…冷えてきたから帰ろうか。
そして、母娘が去り、そこに残されたのは金髪の少女のみ。一人になった彼女はやっと言葉を発した。
ローティア:ルイカ…?
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