プロローグ

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「ねぇ、お母さん。どうして僕にはお父さんがいないの?」 5才のカイムが聞きました。 「お父さんは天国って言う、高い所で貴方を見守っているのよ。」 「ねぇ母さん。どうして僕は魔法が使えないの?」 8才のカイムが聞きました。 「それはね、お父さんに似たのよ。」 「母さん。どうして母さんは強いの?」 10才のカイムが尋ねました。 「それはね、母さんが、凄く才能があって天才で完璧で美人で最強だからよ」 そう言って母は、鉄アレイを渡しました。 「ねぇ母さん。どうして僕には魔力が無いの?」 13才のカイムがいつもの様に母に尋ねました。 「それはね、アンタが馬鹿だからよ。いい加減に同じ質問するのは止めなさい。黒焦げにするわよ。」 母は、真剣な表情で答えました。 アレは本気と書いてマジと読む程の冗談など欠片も無い表情でした……… 「母さん。僕マジックスクールに行ってくるよ。」 カイムは突如決意しました。 「良いわよ。」 母はあっさり許可しました。 「でも一つだけ条件があるわ。今から2年間修行しなさい。そしたら15才になって、入学出来るようになるわよ」母はそう言って、あるものをカイムに渡しました。 ………………金の鉄アレイです……… 「僕、頑張るよ………」 カイムは涙ぐんで、言いました。
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