プロローグ

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「おい!早くしろ!」   「わ、解ってるよ」   町の中を青年二人が息を切らしながら疾走している。まるで逃げる様に。     この町は異常である。どの建物にも奇妙な樹の根やツタ、草が張り付いていた。中には屋根を突き破り、樹が生えている建物もまで有る。道路は大量の植物に覆われ、ところどころ太い樹の根が突き出ていた。   「アイツら居ないし…一旦休もう…これ以上走るのは無理だよ…。」   「そうだな…。それにしても、何が起こってんだ…?いきなり木とか草が生えてくるわ、化物が人喰ってるわ…訳解んねぇよ…。」   「そうだね…何か映画みたい。撮影してる所来ちゃったのかな?ハハハ…。」   「んな訳ねぇだろ…。」   「あ、や」   「ん?どうし…え?」   目の前には頭を喰い千切られた友人と2mは有ろうかという化物が居た。嘴をカチカチと鳴らし、近付いてくる。   「う、うわあああああああああああああ」       この町は異常である。   この町は狂っている。   この町は生きている。   この町は命を喰い尽くす。  
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