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(うえっ?!なんじゃこりゃ!)
再び消しゴムを千切って投げてみるとやはり波打つ。今度はシャーペンを窓の外で振ってみると、水の中で棒を揺らす様に波打った。それだけでも奇妙な事だが、更に奇妙な事に気付く藤間。
(…ぬるい?気持ちわりぃな…何なんだコレ?)
「オイコラ、藤間ァ!!授業ちゃんと聞けよ!お前古典苦手なんだろ?!」
「あー…ふぁい」
担任の辰本先生に怒られても全く興味無さげかつ面倒臭そうに答える。その態度は余計に彼を怒らせる結果になる。
「あぁふぁい、じゃないだろ!単位やらんぞお前!」
「あ、それだけは勘弁。つーか先生、外がおかしいんスけど」
「はぁ?何言ってん…え?」
外の景色が異様に揺らめいていた。いや、揺らめくどころか奇妙にねじ曲がっているのだ。騒然となる3年2組。他の教室も異変に気付き始めたらしく、段々と騒がしくなっていく。
「な、何だ…こりゃ?夢でも見てんのかオレ?」
辰本先生は状況が飲み込めず、瞬きをしたり目を擦ったりしている。
「あれぇ?こんなになってたっけ?」
不思議そうに藤間が外の空間に触れたその時だった…。
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