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学校…いや宮戸市に居た人間全てに強烈な電気が走った様な感覚が起こった。
「な、なんだ?」
「今の何…?怖い…。」
「超痺れたんだけど?!何今の?!」
教室内は騒がしくなっていた。恐れる者、状況判断に努める者、面白がる者…様々だった。ただ、藤間だけは外をじっと見つめていた…張り詰めた様な表情で。
「あーお前ら、静かにしろよー!訳解らん事が起こったが実害はあんまりなかったから授業再開だぞー!」
辰本が皆を静かにしようとした時、不意に教室の後ろ側のドアが全開になりツタの様な物が廊下からザワザワと大量に入り込んできた。
「きゃああぁっ!」
「なんだコレ?!」
「草?!いや、ツタか?!何で動いてんだコレ!!」
そのツタはあっという間に教室の半分程の壁を侵蝕してしまった。全員慌てて黒板側に下がり、狼狽し始めている。だが藤間だけはその場から離れず、ツタを見つめていた。
「多分大丈夫ッスよ。このツタと葉っぱ自体は害は無いでしょうな」
「何で分かるんだよ」
「勘だ」
九野の問いかけに一瞬であっさりと答えた。唖然となる九野。
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