白いキャンバス

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「…………しまった………皿を描くの忘れてた」 「大丈夫ですよ。ちゃんと用意してますから」 「…………もしかして最初から描いてもらう気でいた?」 「どーですかねー」 まぁいっか、と若者は溜め息をつくと、女の子が用意した皿の上に突如小さな光の柱が現れました。 「お、きたね」 「きましたね」 光の柱が消えると、なんと先程若者が描いたチョコレートケーキがそこにありました。 女の子は荷物の中からナイフとフォークを取り出して 「いただきまーす!」 ケーキを食べ始めました。 「……………やっぱり最初から描いてもらう気でいたよね」 しかし若者の言葉は女の子に届いていませんでした。
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