第一章

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「ああっ…紙忘れちゃった」 学校に着いてから気付いたのは 今日入学式で読む筈だった紙 「今から戻るの…?」 でもあれがなきゃ駄目だし 「仕方、ないかな」 重い足を引きずりながら 校門の方に歩いていくと ばんっ 誰かに体が当たってしまい 相手は転がってしまった 「いてててて…。」 相手の男の子はお尻を擦りながら立ち上がる 「ごっごめん…大丈夫…?」 「う、うん…平気だよ」 少しだけ上がった顔を見て 不覚にもどきっとした 「キミは大丈夫だっ…」 ボクの顔を見た瞬間 相手は固まってしまった 「ど、どうしたの…?」 どこか痛いのかな 心配しながら ごめんね…と謝る 「本当にごめんね…?」 「…っああ、大丈夫」 やっと反応してくれた…。 「あ…えっと…。」 何か慌てている様子 ━━━━…その時 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン 8時30分を知らせるチャイム 「ああっ…入学式!!」 隣にいる相手が急に叫ぶ やばい、入学式のあいさつ 「もう無理だね…。」 諦めながらそう呟くと 「もしかして、キミ1年生?」 「うん、本当にごめんね…ぶつかっちゃったから、入学式…」 入学式出たかったんだろうな そう思ったから精一杯の気持ちを込めて謝罪する 「全然平気、サボろうかな…って考えてたし(笑)」 そう言う相手は いたずらっ子の様に笑う 「本当っ?なら一緒にいよ。」 そう言って相手の手を握る
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