第1章

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鳥達のさえずりや風に吹かれる木々のざわめきが聴こえてくる朝――… 私は、カーテンを通して部屋に入ってくる木漏れ日で目を覚ました。 起きたばかりでまだ気だるい体を起こして窓に向かう。 カーテンを開けて外を見てみると、空には雲一つない晴天だった。 窓を開けて、そんな朝の清々しい空気を吸い込む。 そうすると、今までだるかった体が、少し軽くなった気がした。 ベッドの横にある棚の上の時計を見ると、針は7時を指していた。 私がいる部屋は、壁も、天井も、全てが白で統一されている病室だ。 私はもう物心つく前からこの無機質な病室で暮らしている。 コンコンッ 不意に、扉をノックする音が聞こえた。 「どうぞ」 そう言うと、食事を持った看護婦が入ってきた。 .
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