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「華月、帰ろう」
「ん~……でも~」
華月は諦めきれず、まだ、鞄をあさっている。
どうやって華月をつれて帰ろうかと考えあぐねていた、その時。
強い風が、川原からそこら一帯を包み込んだ。
その風の強さに俺までもが思わず、うわっ、と声を上げて、目を瞑る。
桜の木が揺れて、葉たちの唄が降り注いできた。
なんだったんだ、今の風は。
そう思った、まさにその瞬間。
─── オマエ モウスグ キエル
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