2832人が本棚に入れています
本棚に追加
華月は興奮状態だった。
わかったから。
とりあえず、どいてくれ。
俺は、なんとか身動きして、ベッドを半分空けて華月を布団の中に誘導することに成功した。
小学校を卒業して俺と華月が別々の部屋になってから、こうしてたまに一緒に寝ることはあったけど、それももう何年も前のことであんまり覚えてない。
別に、一緒に寝るのが嫌になったわけじゃない。むしろ、こうやって一緒にいるのが自然であるように思う。
「で、さあ……颯はどう思う?」
華月は、興味津々で俺に話しかけた。
「猫だろう?」
俺は、華月の言う“あれ”についてひっぱるつもりは無かった。
確かに、あれは猫だった。
猫の形をしていた。
でも、何かよくわからないことを言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!