2・卵爆弾事件

3/16
前へ
/325ページ
次へ
華月は興奮状態だった。 わかったから。 とりあえず、どいてくれ。 俺は、なんとか身動きして、ベッドを半分空けて華月を布団の中に誘導することに成功した。 小学校を卒業して俺と華月が別々の部屋になってから、こうしてたまに一緒に寝ることはあったけど、それももう何年も前のことであんまり覚えてない。 別に、一緒に寝るのが嫌になったわけじゃない。むしろ、こうやって一緒にいるのが自然であるように思う。 「で、さあ……颯はどう思う?」 華月は、興味津々で俺に話しかけた。 「猫だろう?」 俺は、華月の言う“あれ”についてひっぱるつもりは無かった。 確かに、あれは猫だった。 猫の形をしていた。 でも、何かよくわからないことを言っていた。
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2832人が本棚に入れています
本棚に追加