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ある街の荒廃した広場
三人の子供達が無邪気な言い争いをしている、どうやら、何をして遊ぶかなやんでいるようだ
それを、まるで空気にでもなったかの様に地に足のつかない自分は、何をするでもなく眺めている
あんなにも楽しそうなのに
憎悪すら感じるこの景色を、自分は思い出すことができない、もう二度と見たくないと、忘却の彼方においやった景色のように
子供達は依然、楽しそうに言い争っている
どうやら、ツンツン頭の少年の負けでかくれんぼに決まった様だ
残りの二人はこの広いスラム街を範囲も決めずに逃げ隠れようとしている、ここから探し出す鬼には同情できる
逃げる少年のうち、みつあみの少年は曲がり損ねて転けた、相変わらずだな、なんて苦笑しながら見つめている自分が不思議だった
何を思ってか、自分はスムーズに駆け抜けた少年の後を引き寄せられる様についていく
限りなく黒に近い青の、長めの髪、まるで自分の様に見覚えがあるのに思い出せない
誰なんだ
言葉を漏らすと、まるで聞こえたかの様に少年は振り向く
聞こえたのだろうか、ただ振り向いただけなのだろうか
また少年は走り出す、何かを見つける為に
なんだか今の自分には隠れる場所を探している様には見えなかった
逃げたしてから二分もしないうちに少年はかなり遠くまで来ていた、ふたてに別れた道を前にキョロキョロしながら、急ぎ足で近づいていく
右か、左か…右か、左か…少年が近づくにつれ、胸騒ぎと、なんとも云えない憎悪が膨れ上がる
そっちへ行くなっ!
もう、振り向かない
やはり聞こえてはいなかった、たしか少年は必ず左に曲がる
思った通り左に曲がる、何故そんな事がわかったのか、まるでもう何度もこの光景を見た来た様な気持ち悪さにかられながら、少年に引き寄せられる
来る!必ず…
吐き気がするほどのデジャブに襲われる
その瞬間見たものは
゙人゙ではなかった
…アンド、ロイド…?
直後、後方から爆砕音と共に断末魔が耳に響いた、嫌と言うほどこびりついた絶望が
降り向けなかった
僕は
落ちていった
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