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「この公園はとても大きいけれど…いずれ端っこに着くはずよね?」
アリスはポンと手を打った。
「そうしたら柵を辿って出口へ行けばいいんだわ!」
思いついた素晴らしい案に、アリスは笑顔になった。
再び歩き始めると、川は消えてしまったが、アリスは気にせず歩き続ける。
しかしどんなに歩いても端には着かない。
「私はまだ子どもだもの…この公園は大きすぎるんだわ…」
少し疲れたアリスは木のそばに座り、休むことにした。
ため息をつくと、誰かがくすりと笑った。
驚いてアリスは辺りを見回すが、誰も居ない。
「誰?…誰かいるの…?」
不安そうな声で辺りを見回していると、一匹の大きな黒猫が木の上に座って尻尾をふらふらとさせているのが見えた。
アリスは立ち上がり、猫をよく見ようと近づく。
「今笑ったのはあなた?」
訊ねると猫はぐるぐると喉を鳴らし、こくりと頷いた。
猫はするすると器用に木を下りて、アリスの足元にちょこんと座った。
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