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何ヶ月振りかの休日を取った。
あれから仕事が忙しくなり、
帰りでさえ殆ど公園に立ち寄る事が出来なくなっていた。
一週間のうちの殆どを会社で寝泊りし、
内何日かは始発に乗って自宅へと戻る。
一時的に仮眠を取り、
夢を見た感覚も無いうちに覚め、
朝のラッシュには再び電車に揺られて会社に出勤する。
そんな忙しい日々が続いていたものだから、
この休日は久々に自宅で休める日であった。
こうしていると、私の自宅が会社なのかと思うどころか、
会社に私の為の一室を設けて欲しいと感じる程だ。
そうすれば、電車に乗る時間を食い潰す事もなくなる。
私の時間は奪われてしまうが、
それによって気持ちが随分と楽になるだろう。
公園で取り戻したはずの夢への希望も、
自由時間が奪われる事により、
以前よりも急激な勢いを見せて姿を消そうとしていた。
私は昼間まで一人でくつろいだ後、足を公園へと向かわせた。
もしかするとスケッチブックの少女が居るかもしれない。
何故か私はそう思った。
少女の真剣な眼差し見て、少しでも感性を豊かにしたいと思ったのかもしれない。
ここ最近は心も体も休まる機会など無かったのだ。
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