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「私にとって夢は生への活力」
しかし、もう私を留める物はいない。
果たして夢すらも叶えられない自分に価値があるのだろうか。
容赦なく照らしつける太陽は、ビルの窓硝子に当たり拡散して地へと降り注ぐ。
その膨大な量となった太陽光からは、夢をぶち壊しにした現実と同じ様な痛みを感じる。
痛々しい。
眩い程の晴天でさえ、暖か味など一切感じられずに、私の目を傷め尽くす。
嗚呼、私の心はこんなにも荒んでしまったのか。
太陽が痛いと思う程、私の瞳は傷つき果ててしまったのだろうか。
瞳の美しかった少女の瞳が、その瞳を穢されてしまっただけで消えてしまったのに、
何故私の存在は消えてなくなりやしないのだろう。
太陽の眩しさは、そうやって私の心を責め立てる要素となっていた。
そうして空を仰いだ時、視界の隅で動く何かが目に付いた。
その気配から何らかの真新しさを感じた私は、急いでその場に駆けて行った。
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