ｺﾝﾋﾞﾆの妖精

ｺﾝﾋﾞﾆ王子

と、思いきや木谷くんがすぐに出てきてﾚｼﾞに入ってきた。
冷えた手を擦り合わせながら。

｢追い出された？｣
｢うん。もうすぐおまえあがるからﾚｼﾞにいろってさ。｣

｢そうなんだ。｣

いったいどういう意味だろう？そう思ったけど、なんとなく深くは聞かなかった。

｢竹川さんって良い人なんだけど、疲れる。｣

なんとなく言ってみると、木谷くんは
｢あ、それわかるわ。なんか気ィ遣わんといかん気がするからやろな。｣
と、何度も頷いた。

｢でも仕事できるし、良い人なんだよね。｣
と私が言う。そうやなぁ、とまた頷く。

｢まぁ、王子やからな。｣

結局いつもこれに落ち着くんだけど。