コンビニ王子

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      「んなん、知らんがな。」     という声が中から聞こえて、その手を止めた。 いつもより少し低いトーンの竹川さんの声だった。どうも電話してるみたい。       まぁ、挨拶は後でも良いかとウォークインから離れるとまもなく、内側から扉があけられた。     「曽田さん、ちょい待って。あの、悪いんだけどさ、どうしても行かなあかん用事ができてさ…。すぐ帰るからもうちょい入っててもらえんかな?」   顔にかかった髪をめんどくさそうに払いながら、私にそう言った。       「いいですけど…」 「ホンマにごめんな!あ、これ適当にどっか置いといてー」   そう言うと、あっという間に脱いだ制服を私に渡して出て行った。       緩いチャイムを聞きつつ、またレジに逆戻り。
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