電車

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 そうだなぁ。  まずこの乗り物の話をしようか。  この《電車》というものがどうやって造られたか、どうやって動いているか。  実はよく分からないんだ。  気がついたらあった――――  そんな感じらしい。  何しろ数百年も前の話だから。  最近になって、少し分かってきたらしい。  何やら《猛打亜》という回転する物体で車輪を回して走っている、ということだ。  電気を流すと回るらしい。  ――もっとも、それが回るとなぜ電車は動くのか、という疑問は残されたままだけれど。      あ、次は降りる駅だ。  言い忘れたことがひとつ。  この電車は、《零流》という道に沿って走るんだ。これも金属で、枕木という木の上に敷いてあるものだ。  だから、零流の無いところは走れない。  これは憶測だけどね。
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