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男の声が聞こえたのは第3理科準備室。
窓から覗くと、大勢の男子生徒に囲まれた亜姫と沙姫が見える。
「セイ、第3理科準備室だ」
それだけ伝えると、ガラッとドアを開ける。
「すみません、先輩。うちの妹返してもらえます?もう家に帰る時間なんですよ」
嵐が言うと、健吾が不機嫌そうに嵐を見て、周りにいる男子生徒を顎でしゃくる。
「やれ」
その言葉で大勢の男子生徒が動き出す。
殴りかかってくる男子生徒を殴りながら、嵐はチラチラと廊下を見る。
「ラン!ヒメ!!」
ドアを乱暴に開けて静が入ってきた。
「「セイ…ラン…」」
亜姫と沙姫が震える声で名前を呼んだ。
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