最終話

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I come to like only one, you     最終話 初めて、彼女の過去を聴いた。 それはとても哀しくて、 きっと俺には、耐えられない過去だと…想った。 「生まれた時から私は、病気を患っていた。だから、学校もあまり行けなかったの。  病院で毎日を過ごしてた。中学に上がる頃、お医者さんに言われたの…後、もって3年だって」 彼女の過去。 「独りだった。恐くて、孤独で…。何で、私、生まれてきたんだって想った。  原因不明の病気。毎日毎日、身体が蝕まれているの感じてた…」 治らない病気。 必死に独りで戦ってたんだな…。 「恐かったの。独りは嫌だって。そんな時にね、貴男の存在を知ったの。  中学、一緒だったんだよ。貴男は知らなかったよね。でもね、貴男と話した事、あるんだよ」 俺は、目を見開いた。 「私、久しぶりに外出許可出て、公園に行ったの。そしたら、公園の壁に軟球をずっと投げてる貴男の姿。  凄く、羨ましかった。私も、あんな風に走り回りたいって想ったの」 遠い遠い記憶…。 確かに…小さな女の子に会った気がする…。 「私が凄いねって言ったら、その男の子は、俺はまだまだだよ。もっと、頑張らなくちゃいけないって。  投げるのが、本当に好きなんだって想った。私は、男の子の投げる姿が好きになったの」 小さくて…触れてしまったら、消えそうな…。 「男の子が帰るまで、私はずっと彼の投げてる姿を見ていたの。帰る時にね、その男の子は私に名前はって聞いてきたの。  私は咄嗟に 沙羅 だよって答えて、男の子は俺は小坂、小坂翔って言って帰って行った」 明日もまた来るからな!待ってろよ!沙羅!! 幼い日の…記憶…。 「次の日も、次の日も、私は翔に会いに行った。私が会いに行ったら、必ず翔はその公園に居たの。  翔は、私に沢山のモノをくれた。翔は、私に沢山の事を教えてくれた。  学校の事も、部活の先輩達の事も、野球の事も…。私は、翔の話が大好きだった」
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