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I come to like only one, you 第1話
この想いは、何処に届くのでしょうか…。
私の想いは、誰に届くのでしょうか…。
私は、このまま、消えてしまうのでしょうか…。
まだ、生きたい…。
生きたいよ…神様…。
私は、まだ………。
* * * * * *
「?」
何処かで声が聞こえた。
誰の声だろう…。
気になった。
最初は興味だった。
~♪~♪
声の方に向かえば、それがだんだんと歌だと分かった。
それは、誰一人来ない、学校の裏。
少し覗くと誰かが歌っていた。
ガサッ
「ッ!?」
ヤバッ。音たてちまった…。
俺が居る事が分かったのか、歌っていた子は俺の方を見る。
「…誰…?」
声は女子の声。
ソプラノの…良く透る声。
「あ、えっと…悪い…。聞くつもりは無かったんだけど…」
俺は姿を現す。
「…君は…小坂…君…?」
目の前に居た女子は、白銀の長い髪をおろしていた。
初めは、天使何じゃないかって想った。
でも…ちゃんとした人間だった。
「え、何で…俺の名前…?」
俺は名前を聞くよりも先にそう言ってしまった。
彼女は、少し目を見開いた後、ゆっくりと微笑んだ。
その微笑みが、とても儚いモノで、すぐに消えてしまうんじゃないかって想った。
「何でって…有名じゃない…。鳳凰高校2年生野球部投手、小坂 翔(コサカ カケル)君?」
小さく首を傾げて、そう言う彼女。
この時、すでに俺は、彼女を一目見て、恋に落ちたんじゃないかと感じた。
でも、この想いが恋だって分かるのは、もう少し後になる。
「君は…?」
彼女は、また目を見開いて、微笑んだ。
綺麗な、本当に綺麗なその微笑みは、いつか消えてしまうんじゃないかと…。
予感のようなモノを、俺はこの時から、感じていた。
「私…?私はね」
「 華神 沙羅 (カガミ サラ)」
この瞬間、俺は、彼女の名前を一生忘れる事は無いだろう。
俺は、彼女に恋をした。
一瞬で、君に…。
少ない君の魂の欠片よ…。
どうか、どうか…俺に、彼女に…時間を与えて下さい…。
伝えたい事が…あるんです…。
「 沙羅 ァアアアァァァアアアァァァ!!!!」
まだ、君に伝えていない想いが…。
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