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I come to like only one, you 第2話
君に出逢えた事を俺は、誇りに想うよ。
俺は…君に恋をした。
この広い広い世界で…。
たった君だけを…。
「愛してる 沙羅 …」
たった、1人の…君だけを…。
伝えたい想いは沢山あった…。
伝えたい言葉は沢山あった…。
最初で最後の想いを………。
* * * * * *
「 華神 沙羅 …」
君の名前を繰り返す。
「そう、それが、私の名前」
彼女はまた、綺麗に笑う。
儚くて…。綺麗で…。
でも、消えて、無くなりそうで…。
「さっき、君が歌っていたのか?」
分かり切っている事を聞く俺。
でも、君は嫌な顔をせず、微笑む。
「うん、そうだよ」
本当に、綺麗で…。
でも…同時に悲しそうでもある…。
「どうして…」
「?」
俺の言葉に首を傾げる彼女。
「どうして…そんなに悲しそうなんだ?」
無意識にそんな問いかけをしてしまった。
彼女は今度こそ、驚いた顔で俺を見た。
「何で、そんな事聞くの?」
でも、驚いた顔なんて一瞬で…。
また、笑っていた。
笑顔が印象的だった。
でも…何かが、違った。
「何で、そんなに泣きそうなんだ…?」
俺は一歩、彼女に近付く。
「泣きそう…?私が…」
彼女は俺を見上げる。
彼女との距離が無くなり、俺は彼女と目線を合わせる為に、その場に跪いた。
彼女の目の前に…。
「あぁ…。泣きそうな顔で、笑ってる」
俺は、彼女の頬に触れる。
少しくすぐったそうに目を細める彼女。
「そんなつもりは…無いんだけど…」
俺を瞳に映す彼女を見る。
彼女の身体は、細くて、壊れそうだった。
ガラスの人形のようだった。
「無理に、笑ってるんじゃないのか?」
少し力を加えれば、壊れてしまいそうで…。
彼女の雰囲気は、全体的に崩れかけた人だった。
いつか、崩れてしまうんじゃないかって…。
何故か、そう想った。
「無理なんてしてないよ?そんな風に見える?」
ふわりと笑う彼女。
何で…そんなに…。
「今すぐ、消えそうなんだ。 華神 さんが」
俺がポツリと呟く。
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