最後の日常

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それから、雨が小降りになったのを見計らって三人は家に帰った。 帰りの電車の中で三人は一言も口を聞かなかった。 双木が家に着くと、まず母がいつもより帰りが早い息子に驚き、そして双木宛に『青少年精神向上委員会』と書かれた封筒が届けられていることを知った。 「何なのこれ?まさか、何かやらかしたんじゃないでしょうね?」 「違うよ。・・・これから何かやらかすかも、だけどね。」 双木は近くの椅子に座り、丁寧に封筒を開けた。 中には紙が何枚か折り畳んで詰められていた。 一枚目には、校長が言っていた通りの内容が記されていて、その他に何故、殺し合いをしなければならないか、そしてこれを拒否した場合の刑罰についても。 「年々増加の一途を辿る少年犯罪の防止の為、高校生の心境を実際に人を殺させる事により推し量り、事件を減らす?馬鹿げてる!」 不思議そうな顔をしている母親にその紙を渡した。 そしてその紙を読み進めるうちに彼女の手が震え出した。 「何なのよ・・・コレ?!こんな事が許されるの!?」 明らかに怒りの感情を持っている母に、双木は何も言えなかった。
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