始まった凶行

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ここ数日双木はよく眠れなかった。 これからの事を考えると、とても熟睡は出来そうにはなかった。 (・・・明日からか。) 初日に試合がある曉は一体どんな気持ちでいるんだろうか? そんな事を天井を見ながらぼんやりと考えていると、マナーモードを解除していた携帯電話が、大きな音で着うたをながし始めた。 誰かと思い携帯を手に取りメールを確認すると、それは雪路からだった。 (ゆきから?どうしたんだろ。) 『試合が無い日は練習をしても良いらしい。 っというわけで部活するから学校に集合!』 「マジか?あいつってどういう精神してんだよ?まぁ・・・あいつらしいと言えばそうなるかな・・・。」 双木は久しぶりに笑えた気がした。 双木達が通う学校は制服が存在しないため、軽く身支度をして双木は家を出た。 今日は雲間から日が差し込んでいて、湿度も低い気がした。 (今日は折りたたみがあれば大丈夫だな。) そんな空を眺めながら双木は思い、駅に向かって歩き始めた。
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