試合開始

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カツ丼を食べ終えた双木は、部屋のタンスから袴を取り出して鞄にしまった。 早めに学校に行って準備を済ませておこうと思った双木は、母に挨拶をしてから家を出た。 駅への道で、友達と楽しそうに話しながら歩いている他校の生徒や、犬の散歩をするおばさん、段ボールで暮らすホームレスの姿を見て双木は憤りを感じずにはいられなかった。 何故、自分達だけがこんな目に会うんだ。 周りの普通が今の双木には耐えられなかった。 駅に着き、電車が来るまでまだ時間があることを確認した双木は売店で缶コーヒーを買った。 実は双木は缶コーヒーが大好きで、新商品が出る度に購入している。 空いているベンチに座って無糖のコーヒーを飲み、眠気を完全に吹き飛ばした。 ホームで電車を待っていると将房がやってきた。 軽く挨拶を交わした二人の表情は暗かった。 「先輩・・・。」 「どうした?」 将房は言いにくそうに言葉を続けた。
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