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この三人が何者かというと、××県立白峰高校という男子校の弓道部員である。
ちなみに雪路が部長。
この学校は文武両道を校訓とし、勉学だけでなく、部活動にも力を入れている。
そして今、三人が居るのが学校の敷地の南はじに位置する、射場(弓道場)である。
ここの射場は、先程部活にも力を入れていると記したが、どういう訳か古く、そして狭い。
おおよそ十四畳程。
部員も少なめで、双木達を含め、二十人いるかいないか。
この学校がもっとも力を入れている部活は、サッカー部で、全国大会に何度も出場している猛者だ。
部員も弓道部の倍以上おり、練習場の規模や設備の良さは言うまでもない。
「ていうか、なんで射場はこんなに狭いわけ?俺達に実績が無い訳じゃ無いのに。差別だよな・・・ムカつく。」
双木が俯せから仰向けに寝返りをうって、暗い空を眺めながら、呟いた。
「俺らって校長に嫌われてんじゃね?」
隆弥が笑いながら言った。
「俺達がもっといい成績を残せれば、校長先生の御心も変化なさるはずだよ。」
弓を引く準備を終えた雪路がわざわざ敬語で、大前(一番前の射位)に立ちながら言った。
そんな真面目な雪路に二人は苦笑した。
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