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「先輩が死んだら、みんな悲しみます。だから、生きて下さい。その為に頑張って下さい。相手を殺せとは言いませんから生きて下さい。」
「・・・俺もまだ死にたくは無いよ。・・・だから戦うんだ。」
立ち上がった双木の目に迷いの色は無かった。
双木と将房が射場に着くと、既に何人かの袴に着替えた部員が暗い表情で弓を引いていた。
双木の姿を見付けて挨拶をする者もいたが、やはり元気が無かった。
(無理もない・・・か。)
双木も袴に着替えて諸々の準備を始めた。
その時になって自分達の初戦の相手が誰かわからない事に気が付いた。
辺りを見渡すと、ゴメスが射場に入ってくるのが見えたので、近寄って聞いてみた。
「なぁゴメス、俺達の初戦の相手ってどこなんだ?」
「なんだ、知らなかったのか?・・・美術部だよ。」
「美術部?なんで美術部が二回戦に残れたんだ?」
「さぁな。詳しい事は分からん。一回戦の相手が吹奏楽部だったから、まぐれで勝ったんじゃないのか?」
「まぐれ・・・か。」
それから徐々に部員も集まり、試合開始一時間前には全員が揃った。
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