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その後も双木と隆弥はダラダラと愚痴を零したり、陰口を言って笑い合っていた。
その間、雪路は何回か矢を射っていた。
時折、雪路の的を射った時のパンっという音が気持ち良く射場に響いた。
やがて予鈴が鳴り、三人はそれぞれの教室(雪路は三組、隆弥は一組、双木は二組。)に帰って行った。
その後の授業を雪路は一時も集中を乱さずに受けた。
勿論、双木と隆弥はしっかりと寝て、部活に備えていた。
そのまま時は過ぎ、放課後つまり部活の時間となった。
隆弥は掃除の為、少し遅れて射場に着いた。
その時には既に部活が始まっていて、隆弥は慌てて練習に参加した。
部活の時間はあっという間に過ぎてしまう。
毎日訪れる友達とのコミュニケーション。
この部活に参加している生徒は全員、この時間が大好きだった。
部活終了後も双木、隆弥、雪路を含めた一部の生徒は遅くまで練習をしている。
「俺達も、もう二年生になって大分経ったな。」
そう唐突に双木が切り出した。
「どうしたんだよ、急に。」
双木と同じクラスの片嶺ゴメス悠美(かたみねごめすゆうみ)はいつも通りの半笑いで言った。
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