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片嶺ゴメス悠美(通称、ゴメス。)は日本人とロシア人のハーフで、父親がロシア人だ。
本人は悠美という名前が女の子っぽいとして、余り気に入っていない。
「いや、特に深い意味は無いんだけどさぁー・・・何て言うか、時間が過ぎるのはあっという間だなぁーって思ったんだよ。」
「なに年寄り臭いこと言ってんだよ。らしくねーぞ?」
ゴメスと同じく練習に励んでいた平瀬天伸(ひろせたかのぶ)が茶化した。
「あと一年しかないと考えると、もっと頑張らないとって思うんだ。俺は少なからず焦りを感じているのかも知れない。」
いつもと雰囲気が違う双木にその場の全員が顔をしかめた。
「まぁ、双木の言う通りかもな。だからって焦る必要も無い気がするよ。いつもどうりに練習してれば問題無いんじゃないか?」
雪路が笑顔で言った。
「いつも通り・・・か。それもそうだな。」
そう言うと双木は再び弓を手に取り、引き始めた。
そして練習を終えた双木が家に着く頃には十時を超えていた。
すぐに晩御飯を食べ、風呂に入り、自分の部屋に向かった時には既にあと一時間程で明日になろうとしている時間だった。
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