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その日、双木は連日の疲れのせいか、寝坊してしまい、朝練はおろか朝のSHRにも間に合うか否かという状況だった。
(急がないと・・・!俺の無遅刻無欠席の夢が・・・!)
双木はそんな事を考えながら通学路を走っていた。
本鈴がなろうとしたその時、双木は何とか自分の席に着く事が出来た。
(何とか間に合ったな・・・。母さんも人が悪いよ。起こしてくれれば良いのに・・・。)
息を切らしながら椅子に寄り掛かって、下敷きの風で熱くなった体を冷まそうとした。
何分か経ち、双木の息が整い、汗も引いた。
だが、一向に担任が姿を現さない。
他のクラスも同じようで、いつまでも朝の騒ぎのままだった。
気になった双木は本を読んでいるゴメスの机に歩いて行った。
「なぁゴメス、今日って何かあったのか?」
「さぁ?特に連絡は承けてないけど・・・。職員会議でも長引いてるんじゃない?」
「そうかなぁ・・・まぁいいか。」
ゴメスの席を後にした双木は自分の席に戻って、携帯を弄り始めた。
そのうち、一時間目のチャイムが鳴り、授業が始まった。
・・・先生はまだ来なかった。
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