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煌斗「家族を・・・仲間を失って・・・つらいはずなのに・・・悲しい・・・はずなのに・・・あんな・・・酷いこと・・・。」
綾乃「・・・もういいの。」
煌斗の考えとは裏腹に、綾乃は優しい声でそう言った。
綾乃「つらかったけど・・・もう自殺しちゃおうかと思ったこともあったけど・・・私には仲間ができた。大切な人達ができた。」
綾乃は煌斗の血に塗れた手を取り、しっかりと握った。
そこに在ることを実感するように。
綾乃「アキト君、ちゃんと生きてる。それだけで十分だよ。だから、仲直り、ね?」
そう言って煌斗に微笑みかける。
それを見た煌斗は安堵し、小さく笑った。
煌斗「そっか・・・わかった・・・。」
煌斗は握られている手を力なく握り返した。
綾乃から目を話さずに続ける。
煌斗「でも・・・もしつらくなったら・・・言ってくれ・・・。出来ること・・・無いかもしれ・・・ないけど・・・俺が傍に・・・いてやる・・・。お前は・・・1人じゃ・・・ないんだからな・・・。」
綾乃「-っ!」
綾乃は不意を突かれたような表情になった。
煌斗の言葉をゆっくりと理解していく。
完全に理解した時、綾乃の目には涙が溢れていた。
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