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綾乃「ぅん・・・ぁりがとぉ・・・。」
綾乃は掠れた声で言い、煌斗の手を強く握りしめた。
絶対に手放さないというように、強く。
煌斗(・・・あれ?)
綾乃の手の感触を感じながら、煌斗は違和感に気付いた。
感覚がぼやけているといえばいいのか。
この静かな空間に唯一ある泣き声もだんだん小さくなっている。
煌斗(やっぱ・・・限界か・・・。)
意識が遠のいているのだ。
綾乃と仲直り出来たということもあって気が抜けたからかもしれない。
まぶたが意志に反してゆっくりと落ちていく。
煌斗(も・・・う・・・無理か・・・死ぬな・・・よ・・・俺・・・。)
煌斗の意識は闇に呑まれていった。
直前に、綾乃の顔が目の前にあったのは、気のせいだろうか?
そして、頬に何か、柔らかい感触があったのも・・・。
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