1259人が本棚に入れています
本棚に追加
煌斗「ん?ってことは父さんも聞こえるんだ。」
照正「ああ、そして今うちで聞こえるのはお前が2人目。たいしたやつだ。」
照正はそう言うと、まだ持っていた大剣をもう一度見せた。
照正「大事なことを教えようか。私がこの剣ではなく、重い紫流をわざわざ持ち歩いているのは何故だと思う?」
煌斗「え・・・?」
確かにそうだ。
重い紫流を持っていかなくても要所要所で剣を作り出せばいい。
だが照正はそれをしない。
照正「理由は2つある。1つ目は、精霊との会話は退魔師にも公表されていないからだ。」
煌斗「なん・・・強すぎる力が嫉妬を生むから?」
煌斗の考えに照正は驚いたようだったが頷いた。
照正「そうだ。うちにそのような者はいないと信じたいが、人の考えまではわからん。だから退魔省で取り決められたのだ。」
悲しいことだがな、と照正はため息をついた。
照正「まぁ具現化=精霊の力なのは知られていないから具現化しても構わないのだが・・・退魔師が武器を持たないというのもな・・・。とりあえず精霊のことは誰にも話すな。魔力も極力抑えておけ。」
煌斗「・・・わかった。」
煌斗は素直に頷いた。
信頼する人達から奇異の視線を向けられるのは嫌だったから。
最初のコメントを投稿しよう!