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そう言って、再びポッキーを咥え、差し出してくる会長。
「大丈夫だよ。ほら、誰も見てないし」
確かに、今、ここ生徒会室にいるのは僕と彼女の二人だけ。いや、問題はそんなことじゃないと思うのだが……。
「はい、ほら。ん~……」
どうやら、意思を変える気はないようだ。
「わ、わかりましたよ。じゃあ、もうちょっとこっちに寄ってもらえます?」
「う、うん……」
会長は立ち上がった。僕も、席を立ち上がる。
僕と会長は、向き合うような形になる。
「そ、それじゃあ、いきますよ?」
会長の瞳が、まっすぐに僕の目を見つめる。綺麗な瞳だった。
彼女のサーモンピンクの唇に触れたチョコの部分が溶け、若干の艶かしさをかもし出す。
とたん、僕の心臓が激しく波打って、その存在を際立たせた。
「うん……きて……」
僕は彼女の肩を軽く掴んだ。びくっと、おびえたように会長の身体が微かに震えた。
「それじゃあ……」
ぱり。
端っこを口に含む。とたん、ほのかに香るイチゴの匂いが鼻腔をくすぐる。
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