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序 章 狂乱の果て
もしも、っていう仮定形の言葉は好きじゃない。
それを使ったら運命とか宿命って言葉も“偶然”で済まされちまうからな。
何が偶然で何が必然であったかなんて、当人には理解できねぇし。
それってのは月日が経過してから、漸く追って分かることなんだと思うよ。
俺達は大きな何かの歯車でしかない。
当然のように働いて、一日が終わればまた明日。
刺激もなんもねぇ日常が当たり前だったんだ。
実際、俺もそれで満足してた節はあるよ。
ただ、今となって思うのは―――
まあ…何だ、必然って現象のありがたみってやつだろう。
考えてみりゃ可笑しな話なんだけどな。
日常をぶち壊す出来事があって、俺はこうして大きな流れの中にいる。
そこに満足や充実はあっても―――後悔なんてしてねぇ。
だって、今が最高だって思えるからな。
太白星―――ハウザー・ライネル
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