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倭国の中枢を担う、奈良。
青ジャージを着こなす聖徳太子は、仕事を(珍しく真面目に)していた。
一区切りついて、休憩しようかと思った矢先。
誰かが息を切らして廊下をだかだかと走ってきた。
「たったたたたたたっ太子ィィ!」
その人物は、部屋の前を一旦通り過ぎ、ずざーっと足を滑らせたかと思うと、
ずだん!という音を響かせた。
何事かと思い、部屋から出た太子は、
勢い余って頭からずっこけたらしい部下を発見した。
振り向いた部下の鼻の頭が、心なしか赤い。
「なんだどうした。毛という毛が全部抜けたのか、ハゲ妹子」
「だ…誰がハゲだ!蹴り飛ばしますよアホ太子…っ!」
ゼーゼー息を切らしながらもツッコミ(?)は忘れない。
「蹴り飛ば…。上司に向かってそれは…」
「そんなことより、大変ですよっ!」
『「そんなこと」で片された…』
密かにショックを受けてると、妹子が息を整えて自分も良く知る人物の名前を言った。
「フィッシュ竹中さんが…!」
「え…」
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