洋輔の場合

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俺はまだ幸せなんだろう、だってそこまで今は悲しくない。むしろ今日から仕事から解放されるのだから。 いやー、よかった。 しかし今日はなにしよう? 普通の人なら今日のような日は、大切な人と会うのだろうが俺には、そんな人はいない。 親に会えばいいだろうが、実家は恐ろしく遠い。なんとか帰れた時にはもう夜で今日が終わりかねない。 なら誰だ?友達?同僚?恩師?元カノ?行きつけのコンビニの姉ちゃん? 行動するにはイマイチ理由が欠けていた。 タバコの火が指に迫っていた。 洋輔はタバコの火を壁に押し付けて消した。 洋輔のアパートは郊外の寂れた所にあるが、目の前には散歩にちょうど良さそうな川が流れて景色は悪くはなかった。 その川に向かって吸い殻をピンと弾いた。 下にはおそらく誰もいないので飛ばしても安心だ。それも寂しい気もするが。 とりあえずタバコも吸い終わったので部屋に戻った。相変わらず汚い部屋だ。まぁもはや掃除する気にもならないが‥
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