始まり告げる絶望の香り

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春の麗らかな陽が差し込む4月10日の14時25分 勉学に励む学生達に眠気を誘う温かい陽射しと春の香りの中… その香りの中にほんのりと腐臭が混じっていく その腐臭を醸し出す一団は「餌」を求めて明良高校の校門をくぐっていく 謎の一団…「奴ら」に気付いた教師が数人、「奴ら」を制止しようと前に出る 「なんですか?貴方達。今日は授業参観も三者面談もありませんよ?」 男性教師が「奴ら」の前に出る 「……………ぅぅ…」 短いうめき声をあげながら「奴ら」は今まで俯いていた顔をゆっくり上げる 「なっ!?」 男性教師が思わず驚嘆する 無理もない…だって「奴ら」は目が顔からはみ出し、口が大きく裂けているのに全くそれを意に介さない「異常者」だったのだから 「お゛お゛ぉぉぉ…」 「奴ら」の一人…いや、一匹が呆気にとられた男性教師につかみ掛かる
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