既婚

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「鈴! 鈴?!」 「ん~・・・?」 目を覚ますと、目の前には心配そうに覗き込む、友達の顔。 まだまどろみの中にいる私は、状況が理解できないでいた。 「あ、目覚めた?心配したんだよ~?!(泣)」 「うん?ごめん」 今にも泣きそうな友達の顔。 私が目覚めてホッとしたのか、椅子に腰が抜けたようにヘタっと座り込む。 ごめん。 そんなに心配してたんだ・・・。 「あんた、どうしたの?急に倒れて」 「え?私、倒れたの?」 「はぁ?!」 「・・・ごめん・・・(汗)」 怒ってるよ~(泣) 「で?何が原因?」 「・・・」 「鈴?」 言えない。 お付き合いしてます。 なんて。 言える訳無い。 優しい風が保健室の中に流れ込んだ。 その風のおかげか、沈黙が解かれる。 「わかった」 「・・・?」 「聞かない。鈴が言うまで」 正直、嬉しかった。 そう言ってくれたこと、何も聞かずにいてくれて。 言えない。 まだ。
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