おばあちゃん

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    バイト先に電話が入る。 私は静かにゆっくり帰る用意をして、病院に向かう。 いつものベッドで、おばあちゃんは昨夜と同じように眠っている。 わかっていたんだ。 昨夜から。 もう…って、昨夜から主治医の先生が言ってたから。 わかってて、仕事に行ったの。 ごめんね、おばあちゃん。 でもね、私には、おばあちゃんの心臓が止まってしまう、おばあちゃんが居なくなってしまうその瞬間を、見る勇気がどうしてもなかったんだ。 臆病でごめんね。    
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