縮まっていく二人の距離

2/2
前へ
/54ページ
次へ
当たり前の行動。 それは二人にとって大切な出来事。 『ゆき』が餌を食べ終わると、私の家で『ふー』と遊ぶ。 そんな日々が当たり前のように始まった。 私にとってその当たり前の日々が楽しくて、この時間が来ることが待ち遠しかった。 そんなある日、彼女の家で食事会をする事になった。 母達が話し合い決まった事だった。 普段一人で食事をとっていた私にとって、この出来事は楽しみでもあり、嬉しかたなかった。 当日は、私も彼女も仕事があった。 彼女と私の職場はそれほど遠くなかった。 私は彼女の退社時刻を訪ね、一緒に帰る約束を取り付けた。 当時彼女は、ファッションモールに勤めていた為、待ち合わせ場所は彼女の職場になった。 仕事を切り上げた私は、彼女の職場に向かった。 仕事を終えた彼女が現れ軽く挨拶を交わす。 彼女は疲れもなく、元気な様子で私は安心した。 私と彼女は直接帰宅せず、ピアスを買うう為に寄り道をすることになった。 様々な形をしたピアスを2人でみて、どれが良いかと話しに花が咲いた。 すると、たくさんのピアスの中で一つのピアスを私は手に取った。 どうやら彼女もこのピアスを気に入った様子で、彼女はこのピアスを購入する事になった。 私はピアスを買うつもりはなかった。 しかし、デザインが気に入った事と、何より彼女の「お揃いで買っちゃう?」という言葉に背中を押され、お揃いのピアスを購入する事になった。 ピアスをレジに持っていくと、若い女性の店員さんがいた。 その店員さんは、私たちをカップルだと思っている様子だった。 そして「お揃いとか良いですね。ラブブラブとか羨ましい。」と言い会計を済ませた。 その時私と彼女はそんな関係では無かった。 そして、そこまでお互いを意識していないはずだった。 しかし、私は何故かその言葉に恥ずかしさと嬉しさを感じていた。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加