そんな私にも大きすぎる夢があった

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そんな暮らしを送った私。 色々な経験を積み、色々な変化を遂げてきた。 バイトと遊びを中心に過ごす私の生活は、とても充実したものだった。 小・中学校は平凡に地域の学校に通った。 しかし、高校は学力の問題で男子校に進学。 もちろん高校になど興味は無かった。 ただ、バイトと遊びが両立出来ればそれで満足だった。 男子校でバイトに明け暮れる日々というと、出会いもなく暗いイメージに感じる。 しかし、私の通う高校は女子高生から人気の高い学校だった。 その為、高校時代は出会いにみちあふれていた。 休みの日になれば気の合う男女を集めカラオケや談笑で1日を過ごす。 その中で、気が付けば交際を初めている友人も少なくは無かった。 もちろん私もその一人だ。 しかし、当時の私は長続きしなかった。 それは私だけというわけでも無かった。 一つの別れがある度に、新たなグループが出来、また同じ事を繰り返す。 交際が上手くいってれば恋の話しを語り、交際が終わった時には相手の愚痴を言あって、お互いを慰めあった。 ただそれだけでも楽しかった。 それは私たちにとって、寂しくもあり、楽しい出来事にも感じた。 そんな日々を過ごす中で、私は密かな夢を抱えていた。 それは若いお父さんになりたいという夢だった。 具体的な年齢もある程の夢。 その年齢は20才。 今考えてみればバカげた夢だ。 私の母は、若くして私を身ごもり出産した。 多分この夢はそんな母をみて影響を受けた夢なのだろう。 だが、何故20才なのかは、未だに理由がわからない。 そして、20才になるまでの日々は流れるように進んだ。 当時学生の私は、そんな大きな事を出来るはずもなかった。 そしてそれ程大切に思える相手とも巡り会うことは無かった。 流れに身を任せるように私は20才を迎え、それまで抱えていた夢はもろくも崩れ落ちた。 しかし、特に悔しくもなかった。 それまでたくさんの人と出会ってきたが、本当に愛した人はいなかった。 ただ、一緒に楽しい時を過ごし、甘い言葉で心を満たし、一つの喧嘩でモロくも崩れ、ただ彼氏・彼女というステータスでしか無かった…
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