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当たり前に過ぎていく日々の生活。
そんな生活の中に新たな光が加わった。
新しい仕事にも慣れ、以前と変わらぬ当たり前の生活が始まっていた。
そんなある日、買い物ついでにペットショップに立ち寄った私は、とても可愛い動物と遭遇する事になった。
その動物は小型犬よりも更に小さく、胴長短足で顔は狸のようなフェレットという動物だった。
ゲージの中で仲間とじゃれあう彼らは、私にとってとても新鮮な動物だった。
それからしばらくの間、私はフェレットについての理解を深める為、本などを読みあさった。
そして、どんどんフェレットの魅力に引き込まれていった私は、とうとうフェレットを飼う事にした。
ペットショップに到着した私は、まっしぐらにフェレットのいるコーナーに向かった。
ゲージの中には、2匹のフェレットが好き勝手に遊んでいる。
ペットショップの店員さんに声を掛け、1匹のフェレットを抱かせてもらった。
好奇心大勢な彼は、私の手の中で必死に匂いを嗅いでいた。
そんな姿が無性に私の心を癒してくれた。
私は小さくポッチャリとしたオスのフェレットに『ふー』と名前を付け、新たな家族として受け入れた。
名前の由来は、「ぶっちょいフェレットだから『ぶー』」と名前を付けようとしたが、あまりに可愛そうなので、濁点をとり『ふー』になっただけの単純な名前だった。
しかし、私にとって彼は大切な家族の一員にかわりはなかった。
彼はとても寂しがり屋で、フェレットにしては珍しく、ゲージに入れると奇声を発し鳴き出すほどの寂しがりやだった。
ゲージから出すと喜んで部屋中を走り回り、私の匂いを確認し、また遊び回った。
私はそんな彼に癒されていた。
新しい家族との生活も平凡に時は過ぎ、
彼は『ぶー』ではなく、とてもスマートな大人へと成長を遂げていった。
私はそんな彼との生活の中で明るく暖かい光のようなものを感じていた。
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