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「う…うぅーん」
うっすらと瞼を開くとぼやけた視界でもはっきりとわかる、色白で黒い長髪の女性の顔が心配そうな目で自分を見ているのが分かり申し訳ないなと思い、少し目を背けると女性が今にも泣きそうな湿った声で疾風に話し掛けてきた。
「良かったです、目が覚めて…ビックリしました、師匠から倒れたことを聴かされた時は。」
「ごめんなさい、弥生…迷惑をかけてしまって」
「いえ、お嬢様がご無事で何よ…はっ!!」
慌てて自分の口を塞ぐ弥生を見て疾風は、首を傾げて疑問符を頭の上にいくつも並べ彼女に質問した。
「私は、何か大切な事を忘れているみたいだね。弥生と瑠奈は知っているの?」
「隠し事はするものじゃないですね、ですが後にお話します…瑠奈に話してもらうのが一番でしょうし」
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