回りだした時の歯車

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「ありがとう…」 空気を少し和ませた後、大和は、瑠菜を見て少し声のトーンを落とし。 「用件は?」 「疾風を両親の遺体にあわせてやりたい…本人の要望だ」 「なるほどね、ではどうぞこちらへ」 彼は、手招きをして疾風達を迎え入れギシギシときしむ木の廊下を進み離れへ案内し疾風の目線までしゃがみ込み彼女に 「草薙ご夫婦の遺体はこちらに安置しております…どうぞ」 大和が襖を開けるとそこには2つの棺があった…疾風は棺によろよろと近付き中を覗くと白い菊の花が敷き詰められ、その中心に白い着物を着せられ、綺麗に化粧をされた眠っている様な疾風の両親の遺体があった。 「お母さん…お父さん…」 ぺたんと少女は、座り込み水色の瞳からはポロポロと涙をこぼし何度も何度も服の袖でゴシゴシと目を擦りながら。 「夢で…あって…ほ…しか…た…私…一人…ぼっ…ちだよ」
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