一匹目

9/16
前へ
/31ページ
次へ
    ―一段落― 「で、何でこんなトコでピーピー泣いてたんだ?」 「あぅ。 『ピーピー』とはいくら颯太様でも酷いですよぅ。 プンプン。」 「…つか…ちょ…このカゴの中に入ってくれねぇか…?」 「…? カゴ?」 「ここだよ! こ・こ!!」 俺が示した所は言うまでもなく自転車の前輪の上。 物を入れるカゴの事だ。 「そんな所登れないですよぅ~!」 「だぁーっ! めんどくせえーっ!」 俺はシャロンの首ねっこを掴み、カゴに入れた。 「きゃあ!? もう! 強引ですぅ! 一体何ですかぁ!? …まさか出逢っていきなり愛の…!? きゃあ! もう照れちゃうで」 「…首が痛かっただけだ色ボケネコが。 普通ずっと下向いてりゃ痛くなるだろ。」 「もう照れちゃって! シャロンにはわかってるですよぅ!」 …だりぃ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加