水も滴るいい男

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「うひゃひゃひゃ~、これ以上ないくらい酷くなってみると、逆に笑っちゃうもんだなぁ」 「しみじみ言うなー、走れッ!」 「うげっ、冷てっ。もうなんだよ~~」 うぎゃーー!ありえねぇーー! クラスの連中も悲鳴を上げながら体育館に逃げ込む さっきまで確かに青空の下、体育の授業を受けていたはずなのに ボールは友達!なんて思いながらサッカーに興じていたのに 曇ってきたな~と思ってからがあっという間。スコールかっ!というぐらいの雨が降り注いで、雨から逃げるものの間に合わず。 全身ずぶ濡れ状態に至る 体育館での授業の女子達はこの惨状に目を丸くして見ているし 「はぁ~、Tシャツ張り付いてキモチ悪ィ。あれっ?悦郎と橘は?」 キョロキョロ見回していれば近くにいた奴が、制服に着替えに行ったぞーって。教えてくれたはいいが‥‥‥ ちっ、置いて行かれた 「しゃーねっ、俺も行くか」 移動しようとした時 「うぎゃ~!ひでぇよ~、皆して置いてくなよ。」 あっ! そうだった。 サッカーの練習試合で、佐久間の暴蹴によりボールがありえない所に吹っ飛び、皆からの取ってこいコールに探しに行かせた所だった
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